ドイツ乗り鉄・2014 DB『Ring』 旅立つ前に
ドイツ鉄道は総延長4万キロ、
東西ドイツ統合後、日本より7年遅れの1994年に民営化されました。
ドイツの鉄道の面白さは
路線網が全土にわたって張り巡らされている
列車の種類が豊富で、長距離で遠回りしながら走る列車もある
海外からの乗り入れ列車、寝台車、食堂車がある
日本からの旅行者は、ユーレールパスやジャーマンレールパスで気兼ねなく乗れる
盲腸線が少なく、ローカル線の運行本数も2時間に1本はあり、まわりやすい
何度か訪れたドイツ、ドイツ鉄道『DB』の乗車帰路は、4016キロ、約10%です。全線完乗は夢のまた夢ですが、せめて1万キロくらいは乗ってみたいと思います。2013年の『DB・ブロイハウス』は中途半端に終わりました。2014年は、3回くらい渡欧できそうなので、念入りに計画を立ててみました。
DBの運行の時刻の正確さは前回でわかっています。JRの全線完乗と同じような、時刻表に縛られながら動く旅が、肌に合っており、その中で、身の丈にあったテーマを考えてみました。全線完乗、これは完全にギブアップです。次に考えたのが、バイエルン地方とかの地域別の完乗はどうか、ということです。ただこちらも、鉄道地図に地域の境界線を入れる作業が難しく、断念しました。年明けの出発に向けて時間だけが経過していきます。全線完乗の次は最長片道ルート、となるのは当然の帰結ですが、さすがにDBの最長片道ルートは、ネット上を探してもその欠片すら見つかりません。
40日間、あれこれ試行錯誤の末、辿りついたのは、環状線方式です。
環状線といっても、そのような公式ルートがあるわけでもなく、自分で勝手に決めるだけなので、そのルートが正解かどうかはわかりませんが、それは大きな問題ではありません。この環状線というテーマが、どうやら身の丈にあっていそうで、トーマスクックの路線図を参考に、あれこれルートの検討を始めました。
手始めに、国境沿いをできるだけ遠回りでまわる、最外周のルートを、最長片道ルートと同様、同じ駅は通らない、ということで調べてみました。トーマスクックの時刻表とDBのアプリを見ながらの、神経衰弱になりそうな、それでいて、楽しい時間です。
起点はハンブルクしかありません。まず北に向かい、デンマーク国境のフレンツブルク、そこから南下しリューベック、海に沿って東に向きを変え、軍港のロストック、ポーランド国境まで行って南下し、短絡ルートを使ってフランクフルト、さらに南下し、チェコの国境からドレスデン、いい感じで、行きたくなる街が出てきました。正解ルートかどうかは、どうでもよくなってきた感じで、続けていきます。ドレスデンからチューリンゲンを抜けると、最古のソーセージ屋のあるレゲンスブルク、ドナウを少し下って右折し、ビールの本場ミュンヘン、ここからはアルプスの麓を西進してリンダウ、前回垣間見たシュバルツバルトを抜けフライブルク、温泉地のバーデンバーデンを通り、カールスルエから西へ、最後の授業のザールブリュッケン、フランス国境沿いに北上し、ローマ遺跡のトリア、山の中を縫うように、ケルシュビールのケルン、ベルギー国境のアーヘン、ジグザグルートで際どくミュンスターを交わし、音楽隊のブレーメン、最後は北回りの迂回ルートでハンブルク、完成です。
個性的な街が次々と現れ、もったいないようなルートです。とりあえずこの環状ルートを自分勝手に『Ring』と命名しました。国境の街を中心に路線がつながったことが非常にうれしく、その内側にも、もう少し環状ルートができそうです。路線図を辿っていくと、ルール地方や大都市周辺は様々な路線があり、またDBか、地下鉄か、ただの私鉄か、それらの区別もはっきりしませんが、正解を求める旅でもないので、それでも良しとし、次の『Ring』を探してみます。
2周目の起点はハノーバー、北上しますが、ハンブルクは通れないので、ブッヘンから東に曲りベルリン、ベルリンでは外周を時計回りに半周して、ドレスデンへ南下、ドレスデンの手前で西に曲り、芸術の都ライプチヒ、ここからチューリンゲンに入り、これまた音楽祭の街バイロイト、前回も乗ったルートで、鉄道博物館のあるソーセージのニュルンベルク、ジグザグに南下し、ローマ皇帝の街アウグスブルク、西の山を一つ越えウルム、さらに南へ西へと進み、複雑に路線が交差するエリアを抜けマンハイム、ライン川西岸の景勝ルートを通りコブレンツ、ライン川を渡り右岸を北上、ケルンをかすめてデュッセルドルフ、ルール工業地帯を通りドルトムントからミュンスター、そして多分田園地帯であろうところを走りハノーバー、2周目もできました。
3周目、この『Ring』の起点は長谷部のいたウォルスブルクです。ウォルスブルクから今回は東に向かいベルリン、2周目よりも内側をまわりながら、西南方向へ下りハーレへ、さらにエアファルトからラオホビールのバンベルグへ抜けヴュルツブルク、ロマンティック街道を横目にシュツットガルト、ここからハイデルベルクを経由して、ライン川の東岸から北東へ、ルール地方の南東を抜け、ウォルスブルクに帰ってきました。
勢いのまま4周目を探してみます。起点は、ドイツの鉄道ファンやSLファン一押しの、ヴェルニゲローデ、マクデブルクからベルリン南郊をまわり、ドイツのど真ん中をジグザグしながらアイゼナハからフランクフルト、昔の幹線ルートを通りカッセル、銀鉱山の街ゴスラーからヴェルニゲローデへ、これもできそうです。
全部で4個の『Ring』ができました。
トーマスクックの路線図に色分けしてみました。最外周はドイツの形に似ていて、多少の感動すらおぼえます。内側から順にこの4つの環状ルートを、『Ring 1』『Ring 2』『Ring 3』『Ring 4』とネーミングしました。年明けに行く予定のドイツ、まず一番内側の『Ring 1』に乗ってみることにしました。